各種チョコレートをココアやバターなどで代用出来るか検証しました

お菓子コラム
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こんにちは。久しぶりの検証シリーズです。
今回はチョコレートをココアやバターで代用できるか検証してみました。

例えば、

◇ミルクチョコ
→ 「ブラックチョコ」「バター」「砂糖」を組み合わせて代用できないだろうか。

◇ブラックチョコ
→ 「ココア」「バター」「砂糖」を組み合わせて代用できないだろうか。

・・・など。
なんとなく出来そうな気はします。

  • 材料の比率はどれぐらい?
  • 注意すべき点は?

これらをネット上で探してもコレってページは無かったため、今回じっくりと検証してみました!
どなたかの参考になれば幸いです。

チョコレートの主要成分をチェック

最初に、Lotteの「ガーナブラック」「ガーナミルク」「ガーナホワイト」を参考に主要成分を確認したいと思います。

ガーナブラック|チョコレート|お口の恋人 ロッテ
お口の恋人ロッテのホームページです。今話題のガーナブラックをご紹介。

主要成分を対象に多い順から並べてみます。

◆ブラックチョコレート
⇒ カカオマス、砂糖、ココアバター、乳成分

◆ミルクチョコレート
⇒ 砂糖、乳成分、カカオマス、ココアバター

◆ホワイトチョコレート
⇒ 乳成分、ココアバター、砂糖

※簡略化のため細かい成分は省略して主要な成分だけ抜き出しています。

成分の補足事項

カカオマス=ココア+ココアバター。

※ココアバターはカカオマスに含まれる「油分」で体温近くで溶ける性質があるため、チョコレートの口当たりのために重要です。

※ブラックに乳成分が含まれるかどうかはメーカーにもよります(高級品は含まれてないイメージ)。

ココア・バター等に置き換えた場合の比率を仮説

続いて、次の条件で雑に比率を出してみます。

  • 表示成分の先頭順序ほど多い含有量です。
  • ブラックチョコ+ホワイトチョコ=ミルクチョコというのは聞いたことあるので考慮します。
  • ココアバター(油脂)+乳成分はバターとします。
  • ココアは「純ココア」です(調整ココアではない)。
チョコレート種別ココアバター砂糖
ブラックチョコ0.40.30.3
ミルクチョコ0.20.40.4
ホワイトチョコ0.00.50.5

ほんまかいな・・・

原料は置換えているけど、おおよそいけてるはず。

例えば、50gのミルクチョコなら、

  • ココア 0.2 x 50 = 10g
  • バター 0.4 x 50 = 20g
  • 砂糖 0.4 x 50 = 20g

という材料と量で代用できるかもしれません。

チョコレートの代用を検証

ココアやバターなどを材料に使った場合の比率を仮説出来たので、次のパターンで代用を検証(少量を組み合わせて味見)してみます。

代用先(変換先)使う材料
ミルクチョコホワイトチョコ, ブラックチョコ
ミルクチョコブラックチョコ, 砂糖, バター
ミルクチョコココア, 砂糖, バター
ブラックチョコココア, 砂糖, バター
ブラックチョコミルク, ココア
ミルクチョコホワイトチョコ, ココア

早速10g程度の少量で検証してみます。

(A) 代用ミルクチョコ(ホワイトチョコ, ブラックチョコ)

材料比率は次の通りです。

  • ホワイトチョコ:0.5
  • ブラックチョコ:0.5
材料です。
チンして混ぜ合わせました。

◆感想:普通にミルクチョコです。チョコだけなので口どけも変化なし。

(B) 代用ミルクチョコ(ブラックチョコ, 砂糖, バター)

材料比率は次の通りです。

  • ブラックチョコ:0.5
  • 砂糖:0.25
  • バター:0.25
材料です。
チンして混ぜ合わせました。

◆感想:想像以上にミルクチョコ。問題ない。

(C) 代用ミルクチョコ(ココア, 砂糖, バター)

材料比率は次の通りです。

  • ココア:0.2
  • 砂糖:0.4
  • バター:0.4
材料です。
チンして混ぜ合わせました。

◆感想:ココアの風味が強めのミルクチョコ。バランスは悪くない。

(D) 代用ブラックチョコ(ココア, 砂糖, バター)

材料比率は次の通りです。

  • ココア:0.4
  • 砂糖:0.3
  • バター:0.3
材料です。
チンして混ぜ合わせました。

◆感想:ココアの風味がより強めのブラックチョコ。バランスは悪くない。口どけはチョコだけより少し劣るかも(誤差の範囲)。

(E) 代用ブラックチョコ(ミルクチョコ, ココア)

材料比率は次の通りです。

  • ミルクチョコ:0.75
  • ココア:0.25
材料です。
チンして混ぜ合わせました。

◆感想:ココアの風味が強めのブラックチョコ。チョコ比率が多いため口どけは良好。

(F) 代用ミルクチョコ(ホワイトチョコ, ココア)

材料比率は次の通りです。

  • ホワイトチョコ:0.8
  • ココア:0.2
材料です。
チンして混ぜ合わせました。

◆感想:ココアの風味を感じるミルクチョコ。チョコ比率多いため口どけは良好。

検証結果のまとめ(代用比率まとめ)

個人的には全部のパターンで「あり」だと思います。

検証したチョコレートたち。

ただし、

  • ココアを使う場合、ココアの風味(苦味というべきか)が強く出ます。
  • チョコ成分が多いほうが口溶けは滑らか(カカオバターの利点)。
代用先必要材料と比率補足
ミルクチョコホワイトチョコ:0.5
ブラックチョコ:0.5
チョコ×チョコで全然問題なし。
ミルクチョコブラックチョコ:0.5
砂糖:0.25
バター:0.25
ミルクチョコココア:0.2
砂糖:0.4
バター:0.4
ブラックチョコココア:0.4
砂糖:0.3
バター:0.3
ココア風味は結構強め。
ブラックチョコミルク:0.75
ココア:0.25
ミルクチョコホワイトチョコ:0.8
ココア:0.2
ココアは純ココアです(調整ココアではない)。

お菓子の仕上がりにどのように作用するかは本段階では不明ですが、代用は可能に感じます。

例えば「ココア」「バター」「砂糖」はあるけど「ミルクチョコ」や「ブラックチョコ」は無いって時などに、代用可能ということです。

実際にお菓子に使えるんかな・・?

使えると思うんだけどな。

実際のお菓子レシピに本当に適用できるか、この後にさらに検証します。

お菓子レシピで実践してみた

選定対象と注意事項

ここまで仮説と検証は出来ました。最後に次のお菓子で実践します。

  • ブラウニー(焼き菓子)
  • チョコレートテリーヌ(半焼き菓子&しっとり)

なお、ココアやバターから代用的なチョコレートを作り出す場合「生チョコ」のような、非加熱の「口どけ感」が求められるお菓子には向きません。可能性はゼロではないですがお勧めしません。
※その一方でホワイトチョコ+ブラックチョコのような、チョコとチョコであれば、生チョコにも出来るはずです。

ブラウニー

本レシピのチョコレートは「ミルクチョコ」を推奨しています。
※「ブラックチョコレート」でも美味しい仕上がりにはなるけど少しビター。

代用した「ミルクチョコ」で仕上げた場合、どのような結果になるか試します。合計3パターン試します。

※さすがにフルサイズは大変なので少量サイズ(1/3)で試します。

  • 純粋ミルクチョコ
  • 代用ミルクチョコ1(ココア・砂糖・バター)
  • 代用ミルクチョコ2(ブラックチョコ・砂糖・バター)
材料純粋ミルクチョコ代用ミルクチョコ1代用ミルクチョコ2
チョコ成分33g33g
・ココア6.6g
・砂糖13g
・バター13g
33g
・ブラックチョコ16.5g
・砂糖8.25g
・バター8.25g
バター17g17g17g
全卵と砂糖(50+25)/3
=25g
(50+25)/3
=25g
(50+25)/3g
=25g
薄力粉12g12g12g
全卵はMサイズ(正味量は約50g)を1個使います。

主な手順は次の通りです。

  1. チョコ成分、バターをチンして溶かします。
  2. 常温の全卵と砂糖を混ぜておき、上記に良く混ぜます。
  3. さらに薄力粉をさっと混ぜます。
  4. 余熱したオーブン160℃で約25分加熱します。
純粋ミルクチョコなどを混ぜているところ。
代用ミルクチョコ1などを混ぜているところ。
代用ミルクチョコ2などを混ぜているところ。
今回はカップで焼き上げます。
焼きあがり直後です。
冷めて少ししぼみました。

左から順番に、

  • 純粋ミルクチョコ
  • 代用ミルクチョコ1(ココア、砂糖、バター)
  • 代用ミルクチョコ2(ブラックチョコ、砂糖、バター)

ココア分が多めの真ん中は、色が濃いです。続いて断面を確認します。

カップを外したところです。
切ったところです。

→ 色の違いはありますが、焼き上がりの生地の様子はどれも同じに見えます。

試食した結果含め、ポイントをまとめます。

  • 全体的に普通に美味しいです。
  • ただし、ココアで代用した場合、ココア感が強めで色も濃く仕上がりました。
  • 誤差範囲だと思いますが、代用ミルクチョコのほうが中心にしっとり感がありました。

ミルクチョコを主体としたブラウニーは普通に成功です。

チョコレートテリーヌ

本レシピのチョコレートは「ブラックチョコ」を推奨しています。

代用した「ブラックチョコ」で仕上げた場合、どのような結果になるか試します。合計3パターン試します。

※さすがにフルサイズは大変なので少量サイズ(1/6)で試します。

  • 純粋ブラックチョコ
  • 代用ブラックチョコ1(ココア・砂糖・バター)
  • 代用ブラックチョコ2(ミルクチョコ・ココア)
材料純粋ブラックチョコ代用ブラックチョコ1代用ブラックチョコ2
チョコ成分25g25g
・ココア10g
・砂糖7.5g
・バター7.5g
25g
・ミルクチョコ18.75g
・ココア6.25g
バター17g17g17g
砂糖+全卵+牛乳(15+50+15)/3
=26g
(15+50+15)/3
=26g
(15+50+15)/3
=26g
全卵はMサイズ(正味量は約50g)を1個使います。

主な手順は次の通りです。

  1. チョコ成分、バターをチンして溶かします。
  2. 常温の全卵と砂糖、牛乳を混ぜておき、上記に良く混ぜます。
  3. 余熱したオーブン180℃で15分「湯銭」焼きします。
純粋ブラックチョコなどを混ぜているところ。
代用ブラックチョコ1などを混ぜているところ。
代用ブラックチョコ2などを混ぜているところ。
小さめカップに入れて湯銭焼きします。
完成しました。

左から順番に、

  • 純粋ブラックチョコ
  • 代用ブラックチョコ1(ココア・砂糖・バター)
  • 代用ブラックチョコ2(ミルクチョコ・ココア)

ココア分が多めの真ん中は、色が濃いことを加えて、少ししっとり感が抑え目に見えます。続いてスプーンで内部を確認します。

純粋ブラックチョコの場合。
代用ブラックチョコ1の場合。
代用ブラックチョコ2の場合。
全部の比較です。

試食した結果含め、ポイントをまとめます。

  • ココア多めの代用ブラックチョコは、しっとり感が弱め&苦めでした。
  • ミルクチョコ+ココアの代用ブラックチョコは、純粋ブラックチョコと同等の美味しさでした。

この結果より、ココア分が多めの代用ブラックチョコの取り扱いは注意が必要です。使う場合は当初の比率より若干ココアを減らして砂糖やバターを増やしたほうが良いと思われます。

実践結果まとめ

代用チョコレートはお菓子レシピにも活用できますが、ココアの量によっては注意点が必要でした。

  • ココアが含まれる場合、色が濃い目にでます。
  • ココアの比率が多め(代用ブラックチョコ)の場合、ココアによる苦味感が強めに出ます。
    → こちらは当初の比率よりココアを若干減らして、砂糖やバターを追加すべきかと思われます。

まとめ

ココア、バター、砂糖、及び各種チョコレート組み合わせによるチョコレートの代用や変換はおおよそ可能です。お菓子レシピにも適用可能です。

ただし、注意すべき点がいくつかあります。

代用時の注意事項
  • ココア比率が多い場合の色合いは濃く仕上がり、ココア感(苦味)が強調されました。特に代用ブラックチョコ(ココア、砂糖、バター)はココア比率がより多いため目立ちます。さらにしっとり感も少し弱めだったので時間調整は必要です。
  • チョコレートをまったく含まない代用チョコレート(バター、砂糖、ココアなど)は、生チョコのような非加熱には向かないと思われます。
    → カカオバターによる口どけ感がないため、イマイチでしょう。

※逆にココアがそうゆう作用であれば、それを利用することも出来そうです。

◆ 50g, 100g, 150g毎の必要材料と量です↓↓

  • ココアは純ココアです。
  • ホワイト=ホワイトチョコ、ミルク=ミルクチョコ、ホワイト=ホワイトチョコのことで、明治やロッテの板チョコを使っています。
代用先必要材料と比率50g時の
必要量(g)
100g時の
必要量(g)
150g時の
必要量(g)
ミルクチョコホワイト:0.5
ブラック:0.5
ホワイト:25
ブラック:25
ホワイト:50
ブラック:50
ホワイト:75
ブラック:75
ミルクチョコブラック:0.5
砂糖:0.25
バター:0.25
ブラック:25
砂糖:12.5
バター:12.5
ブラック:50
砂糖:25
バター:25
ブラック:75
砂糖:37.5
バター:37.5
ミルクチョコココア:0.2
砂糖:0.4
バター:0.4
ココア:10
砂糖:20
バター:20
ココア:20
砂糖:40
バター:40
ココア:30
砂糖:60
バター:60
ブラックチョコ
(難しい※1)
ココア:0.4
砂糖:0.3
バター:0.3
ココア:20
砂糖:15
バター:15
ココア:40
砂糖:30
バター:30
ココア:60
砂糖:45
バター:45
ブラックチョコミルク:0.75
ココア:0.25
ミルク:37.5
ココア:12.5
ミルク:75
ココア:25
ミルク:112.5
ココア:37.5
ミルクチョコホワイト:0.8
ココア:0.2
ホワイト:40
ココア:10
ホワイト:80
ココア:20
ホワイト:120
ココア:30

※1:少し苦めになるため覚悟する(レシピによってはしっとり感が弱くなることも)。もし使うなら表記よりココアを少し減らしてバター・砂糖を増やすこと及び加熱時間も考慮すること。

中途半端にミルクチョコやココアが余ることがあるので使えそう。

出来るね。ココア多めの際は一度試さないとね。最後までご覧いただきありがとうございました!

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